5歳児のB型肝炎ウイルス陽性率を1%以下とするWHO目標をカンボジアが達成。広島大学が国際共同大規模疫学調査で実証しました ~途上国での肝炎対策「見える化」のモデルに~

田中純子教授(広島大学大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)らのグループはカンボジア健康科学大学、カンボジア保健省、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)、WHOカンボジア、米国CDCの参画を得て、国際共同研究プロジェクトを構築し、2017年2~4月にカンボジア全土で小児と母親を対象としたB型肝炎ウイルス感染状況に関する大規模血清疫学調査を行いました。
WHOは2030年までに、世界で4億人が感染していると推計されるウイルス肝炎の排除を目標に掲げ、各国で取り組みが行われています。今回の血清疫学調査研究の結果、カンボジア王国の5歳児のB型肝炎ウイルス陽性率は約0.56%であることを示し、WHO/WPROが2017年までの目標とした1%以下を達成していることを明らかにしました。この研究成果によって、WHO/WPROは今年6月にカンボジア王国の目標達成を正式に認定するに至りました。
本調査研究は、途上国におけるウイルス肝炎の現状と肝炎対策の効果を「見える化」し、科学的に評価するためのモデルとなる可能性を示唆するものです。

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